ドイツ気象庁の拡散予測は終了しました。今こそ文部科学省と首相官邸に対してSPEEDIの予測結果の即時発表を要請しませんか?
放射性粒子拡散予測と共に医師や専門家による被爆対策も分かりやすい形で毎日発表される事が求められています。加えて私達は事故当事国として近隣国への情報開示責任を自問するべきではないでしょうか?詳しくはこちらから。
追記(6/1):ドイツ気象局のサイト上に、5/31日をもって予報文の更新は終了しました、というお知らせがありました。それに伴いその和訳の更新も終了し、今後は画像のみの更新となります。
放射線関連リンク集
※図中で示されているUTC(協定世界時)に9時間を足したものが日本標準時となります。
Mo:月曜日/Di:火曜日/Mi:水曜日/Do:木曜日/Fr:金曜日/Sa:土曜日/So:日曜日
この図は放出される放射性粒子の相対的な分布図(訳注:大気中)と題されており、下部の小文字部分には要注意:放出源の濃度が明らかでないため、この予想図には空気中にある放射性粒子の実際の密度が反映されているとは限りません。発電所からの仮想上の放出が天候条件によってどのように分布し希釈化されていくのかのみが表現されています。との注意書きがあります。
赤色の濃淡で粒子の濃度を表しており、上から順に
赤:濃度は僅かに希釈されている
黄:濃度はかなり希釈されている
白:濃度は極めて希釈されている
となります。ですから、福島地方においての空気中の放射性物質の濃度を基準にした場合に、そこから濃度はどのように薄まり分布していくのか、という事を気候条件を基に予測したもので、放射線量の絶対的な測定数値はこのシミュレーションには直接反映されていません。その為に敢えて「相対的」と前置きしている訳です。よってこの図から危険度の評価はできません。
上記アニメーションの一コマ目から三日間、福島第一原子力発電所において放射性粒子が放出され続けたとして(注)、粒子はそこから風に乗ってどう広がるかを高度250m地点から表現した予測(シミュレーション)であり、現在の分布状況ではありません。 元の放出量によって危険度は変わってきます(相対的)から、現時点で実際にどれだけの量の放射性物質が放出されているのかは別データ(右にリンク集有)を参照しなければなりません。
注:ここではその量は問われていませんので、良く見られる「大爆発・大放出があったとして」という表現は正確ではありません。図が相対的なものである以上、放出規模の大小の仮定は意味を為さないからです。正しくはただ単に「放出され続けたとして」です。放出の有無、又その量は右のリンク集から実測値にてご判断下さい。(事故現場周辺の大気は隔離されていませんから放出が全く無いというのは現時点ではあり得ない訳ですが。)
ドイツ気象局(正式名称:Deutsche Wetterdienst、通称:DWD)はドイツ連邦交通・建設・都市開発省下に属する公益機関で気象・天候・気候の調査報告を主な業務としています。気象局は基本的に放射線量の測定値の発表は行っておらず、その危険度の評価はドイツ連邦放射線防護庁(BfS)の法的な管轄となります。
ドイツ気象局が出した情報を基にBMU(連邦環境・自然保護・原子炉安全省)やBfS(連邦放射線防護庁)の専門家グループが実際の測定値を参照の末、危険度の評価を下すという事だそうです。その為この図はあくまでも気候条件のみによる予想であり、空気中の有害物質の実際の密度は反映されておらず、放射能濃度測定値による危険度評価とも関係ありません。同一視しないように。との旨がDWDのサイト上にも幾度も注意書きしてあります。
ドイツ政府の対応についてですが、在日ドイツ大使館のサイトでこれまでにドイツ大使館が発表した在日ドイツ人に向けての声明を全て読むことができ、ここには原子炉安全省を初めとする専門家グループ、並びにその報告を受けた独外務省危機管理対策本部の、一般人が理解できるレベルでの具体的な判断が反映されていると言えるでしょう。
それによると3月13日に一人の専門家が原子力保安省から到着しており、福島第一原発についての応急的な判断が下されるだろうと述べられています。ここではその詳細な調査結果には触れられてはいませんが、その三日後の17日には在東京ドイツ大使館の大阪への移転と、全ての在日ドイツ人に対して、原発での事故の収拾が着くまでは東日本(静岡以東)からの退避勧告を発表しています。現在も、首都圏での数日間の滞在は問題は無いだろうとしながらも、長期滞在や子供・未成年の滞在は避けるようにというその基本姿勢に変化はありません。
在首都圏の独国籍保持者及びその家族は現時点で一人につき二錠の安定ヨウ素剤を必要に応じて大使館の専任医師から受け取る事ができるそうです。ただしその服用については日本政府の指示を待つ事と赤字で強く注意しています。
追記4/12:4月11日付の声明で「ドイツ(その内の一人の専門家は3月13日から継続してドイツ大使館にて調査中)、オーストリア、スイスの専門家グループの協力によって現状の把握が進んでおり、新たな危険を導くような誤解を排除すべく、在日ドイツ人に対してより正確な情報提供が出来るようになって来ています。大使館機能は大阪に移転しましたが独大使館にとっては、首都においての外交上の通常業務を継続するという事も重要で、ヴェスターヴェレ独外相は4月2日の訪日後、必要不可欠な外交機能の東京への再移転を決定しました。危機分析・管理等のその他の業務は引き続き大阪に留まります。」との発表がありました。その後4月29日には全ての機能を再び東京へと戻しています。
このような分布予測は正しく理解した上での目安にすることができれば、各自の健康を守る(特に自分での判断が難しく成人よりも放射線の影響を受けやすい子供達)という目的にとって非常に有益だと思います。この情報のみで判断するのではなく、他の情報源と併せて一つの判断材料にするのが最善なのでは無いでしょうか。
この翻訳の本意は、日本政府が発表しない(且つ第三者機関による)貴重な情報源の一つを、出来る限り多くの市民の皆さんに誤解の無いよう正確そして冷静に受け止って頂くという事にあります。文章の転載は自由ですが、その際は必ず上記太字の注意事項を併記の上でお願い致します。
尚、シミュレーション画像の著作権はドイツ気象局にあります。画像を転載の際はロゴを改変せず、必ずソース(http://www.dwd.de)を明記もしくはリンクして下さい。DWDによる情報の著作権についてはこちらをご覧下さい。